治療法について
歯周内科治療
今までの歯周病の治療としては、歯石や汚れを取る治療が主流でした。しかし、この治療法では
どうしてもすべての細菌を取り除く事が出来ず、治療にかなりの時間がかかったり、外科的に
手術をして患者さんに苦痛を伴う場合が多かったのです。
歯周内科治療とは歯周病が感染症である事に着目した、今までの概念を覆す治療法です。
まずお口の中の歯周病を起こす細菌とはどういう物なのでしょうか?一般的にトレポネーマ
という細菌と、カンジダ菌といわれる真菌(カビ)の2種類なのです。
歯周病になると、歯茎の炎症から始まり歯槽骨の吸収が起こります。一度この病気になると、
元通りになる事はないので非常に怖い病気なのです。しかも初期のうちは痛みも
何もない・・・知らないうちに進行しています。
治療方法
これまでの歯周病の治療は、皆さんご存知の通りお口の中のクリーニングが主流でした。歯石を取ったり、ご自身のブラッシングを
丁寧に行っていただくなど、機械的に汚れを取る治療だったのです。
ところで、皆さんは風邪をひいたらどうされますか?お薬を飲んで(お薬が嫌いな方もおられますけど)安静にしますよね。
たとえ肺炎を起こしても、肺を切り取るなんて事はしませんよね。でも虫歯や歯周病の治療は、これまで削ったり外科的に歯茎を切る治療が主流でした。
では、実際にどういう治療を行うのでしょうか?
まずは位相差顕微鏡を用いて、口腔内の細菌叢の様子を観察します。
トレポネーマやカビが確認されたら、今度は実際に投薬を行います。
投薬は2種類あります。1つ目はジスロマックという抗生物質と抗カビ剤で歯磨きを行う方法。
もう一つはジスロマックとペリオバスターというカビに良く効く歯磨き剤を使う方法です。
ジスロマック+坑カビ剤
即効性が高く非常に治療効果がでます。
しかし抗カビ剤は
保険が利かず、自費治療
(当院では17,000円)になります。
Before
ジスロマック+ペリオバスター
医薬部外品ですので保険治療が行えますが、効果はやや劣ります。
その分治療にも回数がかかってしまいます。
After
ジスロマック+坑カビ剤で1週間後
歯周内科療法とは?
今までの歯周病の治療は、ブラッシングと歯石の除去が主流でした。
お口の中を掃除することによって歯周病菌を減らす治療なのですが、どうしても完全に細菌を取り除くことができず、歯周病の再発を繰り返すことが多いのが実情です。
この内科療法では、歯周病が細菌とカビによって引き起こされることに着目し、抗生物質の内服とカビを取る薬剤での歯磨きによって除菌し、治療をするというものです。
治療開始後約3日で歯ぐきからの出血がおさまり、1週間後にはほぼ歯周病の状態が落ち着いてきます。
約9割の方に効果が出ることが実証されています。ほぼ3回の治療で終了します。
この治療は保険がききませんので、抗生物質、カビ取りの歯磨き剤、検診、レントゲン、歯石の除去の費用すべて込みで1万7千円になります。
回数はかかり、効果がやや落ちますが、保険診療で治療することも可能です。
残念ながら喫煙者はこの治療法の効果が期待できません。
禁煙してから治療を開始します。それと妊婦の方などお薬の服用ができない場合は、従来の治療法になります。